2026年(令和8年)6月19日 参議院本会議で可決・成立

改正 介護保険法・社会福祉法
社内解説用ガイド

組織内説明用共有資料

なぜ今、法改正が必要なのか

「2040年現役世代急減」と「超・単身高齢化」への対応

閣議決定:2026年4月3日 国会成立:2026年6月19日
💡 説明者のためのワンポイント:法改正の「閣議決定」と「国会成立」の違い ▼ クリックで解説を表示

職員向け説明会で「日付」について質問された際、以下の通りご説明ください。どちらの日付も法律制定において正確かつ重要なマイルストーンです。

  • 2026年4月3日(閣議決定): 政府(内閣)が「この内容で法律を改正します」という最終案を合意し、国会へ提出した日。
  • 2026年6月19日(可決・成立): 国会(参議院本会議)の審議をすべて終え、賛成多数で正式に法律となった日。

※閣議決定の後に国会で審議が行われるため、閣議決定が4月、正式成立が6月となります。職員には「6月19日に国会で可決・成立した最新の改正である」と伝えると最もスムーズです。

これまでの日本の社会福祉制度は、同居親族や近隣コミュニティの「無償の支援(シャドーワーク)」があることを前提に設計されていました。しかし、2050年に向けて「一人暮らしの高齢者」や「身寄りのない高齢者(三親等内親族がいない等)」が急増。入院の保証人、死後の事務処理、ケアマネジャーの負担過多など、現場の善意だけでは支えきれない制度的な空白が限界を迎えています。今回の法改正は、こうした課題を解決し、福祉の持続性を法的に担保するための大改革です。

🚨 単身高齢者激増に耐えうる制度設計
  • 単身高齢世帯:2050年予測で約1.3倍増の1,084万世帯へ急増。
  • 三親等内親族なし:親族不在層は448万人。現場の「入院身元保証」依存が完全に破綻。
⚖️ 法改正のコアビジョン

子供・障害・高齢を区切る縦割り行政を撤廃し、過疎地域での人員維持や、不透明な囲い込みを防止しつつ「地域共生社会」のセーフティネットを国・自治体が主導して整備します。

5大主要制度改革のすべて

各項目をクリックすると、概要・効果に加え、専門職や実務管理者が知るべき「【詳しく解説】」ボタンから深い法的根拠・実務影響を展開できます。

施行ロードマップ:段階施行スケジュール

実務移行に必要な準備期間とタイミング

公布日より1年半以内(令和8年/2026年秋〜冬以降順次)

ケアマネ資格制度の抜本改革 最優先確認

5年ごとの更新制度(資格失効ペナルティ)を廃止。資格は終身維持とし、法定研修受講を独立した「業務受講義務」へ移行。
・受験要件の緩和(実務経験3年への短縮等)により、専門職の確保を最優先で開始。

公布日より2年以内(令和9年/2027年頃)

「日常生活自立支援事業」の発展型公的サービスへの拡充

・「福祉サービス・保健医療サービス等利用援助事業」の実施に伴う、相談体制の整備。
・頼れる身寄りがいない要介護者・障害者に対し、自治体レベルで契約等の社会手続きを包括援助する公的役割の立ち上げ。

令和9年(2027年)4月1日 【原則施行】

法改正の本格運用開始

「特定地域サービス」の運用開始:中山間地域の人員配置・専従要件の緩和、月単位包括報酬(定額制)を導入。
DWATの法定化:被災地への派遣応援体制が正式スタート。派遣に係る法的免責、補償、財源支援が確定。
・夜間対応型訪問介護の廃止(3年間の経過措置期間を設定。第10期介護保険事業計画への円滑な統合)。

公布日より3年以内(令和11年/2029年まで)

登録有料老人ホームにおける新ケアプラン体制の義務化 影響大

・都道府県への登録制度(5年更新)の正式義務化。
・対象ホームにおける入居者へのケアマネジメントについて「登録施設介護支援」が開始。
・これに伴い、対象入居者側の「原則1割の自己負担」が発生(無料作成の廃止)。事業所内での説明、徴収システム、併設事業者との不当な抱き合わせ・囲い込み規制への対応期日。

職種別・何が変わる?実務アクション

「現場の私たちの何が変わるのか」をポジティブに捉える

📋 ケアマネジャー・主任ケアマネ

【メリット】資格失効リスク・金銭的負担の解消 5年ごとの更新制度が廃止され、「いつのまにか有効期限が切れて失職した」という最悪の状況がなくなります。オンライン化と時間短縮も推進。
【注意アクション】受講義務と独立性の証明 受講しないことで即時失効はしませんが、法定研修は「業務受講義務」として残ります。未受講を放置すれば指定取り消しの対象等に。また、住宅型ホームの併設居宅ケアマネジャーは「登録施設介護支援」への移行にあたり、サービス提供事業者との完全な中立・独立性を証明する必要があります。

🤝 施設介護・訪問介護・管理者

【メリット】身寄りに関するシャドーワークを公的移管 親族がいないことで発生していた、緊急連絡先の引き受け、入院・入所手続きの代行などの「善意の無償労働」を、公的スキームに正式に引き継げます。
【注意アクション】「特定地域サービス」と「囲い込み是正」 中山間地域の事業所は、人員基準の緩和を活用して柔軟なシフト管理(定額評価)に移行できます。一方、有料老人ホームなどの施設運営側は、特定の自社併設サービスに不当に利用者を「囲い込む」実態がある場合、老人福祉法に基づくペナルティ対象となるため、運営規程・契約内容の見直しが急務です。